2013年3月2日土曜日
にきび治療は進歩しています。新しい治療法があります。
ニキビはほとんどの人が経験する最も多い皮膚のトラブルです。
しかし日本の保険治療は海外に比べて遅れていました。治療の主体は抗菌薬で炎症をたたく、つまりは起こった火事が早く消えるようにしていたわけで、モグラたたきを連想してしまいます。
病院に行ってもよくならない、良くなっても治療をやめたら元に戻る、どうせ行っても・・・と思っていませんか?
最近は少し違ってきて、ニキビができない肌にしていく治療が重視されるようになってきました。
代表選手はアダパレン(ディフェリンゲル)というビタミンAの塗り薬です。
この薬は4年くらい前から保険で処方できるようになりました。3か月くらい塗り続けると毛穴がつまりにくくなり、ニキビのできにくい肌になってきます。
以前はピーリングやビタミン導入をしなければコントロールできなかった治りにくいニキビが保険治療薬のみでうまくコントロールできるようになってきました。ニキビ患者さんは若い人も多いので、保険で治療できるということはとても喜ばしいことです。
アダパレンは非常に効果の出る薬ですが、中にどうしても合わない方もおられます。
刺激症状は普通2週間くらいでおさまるのですが、乾燥が続くためか、効果を実感できず止めてしまう人が・・・
また、妊娠や授乳中の人も使用できません。
そういう場合はアゼライン酸クリームをお勧めしています。このクリームはもともとは美白剤として開発されてきました。
海外ではニキビや酒さにたいして効果が認められ使用されています。
残念ながら日本では保険適応はありませんが、15グラム1890円ですので、ニキビに悩んでいるかたにとっては試してみようと思える範囲の値段かな?と考えています。
このクリームはききめは少しゆっくりですが、乾燥が続くこともなく、子どもさんでも安心して使用できます。
とくにアダパレンがきついと感じるような方にはとても効果があるように感じています。
クリニックで保険外の化粧品をお勧めすることに皮膚科医はとても抵抗を感じてしまいます。
なんとなく、うさんくさい感じがしないか、と気になってしまうのです。
けれども本当に有用なものであれば、積極的にお勧めするべきでしょう。
既存治療でよくならず、ニキビで悩んでいる方にはよくなっていただかなくてはなりません。
このクリームは東京女子医大や虎ノ門病院など、ニキビ治療で日本の第一人者とされるような有名な先生がたも推奨されています。
にきびができない肌にするためには
どうしてもホームケア―も必要です。毎日自宅で塗り続けていただきます。
効果を判定するには2から3カ月はかかります。
もちろん希望されるかたには即効性を重視して
美白もかねて乳酸ピーリングやビタミンC、Aのイオン導入、グリコール酸ピーリング、
ビタミンC誘導体化粧水などの併用も可能です。
ニキビの原因が生活習慣や食事、お化粧、内科疾患などと結びついている場合もあります。
当院では最初、問診でいろいろなことをお聞きします。
特にお化粧については、しつこく聞かれることに抵抗を感じる方もおられると思いますが、
特に問題がない場合は、できるだけご自分が気に入って使用されているものを続けていくのが良いと考えています。
当院は皮膚科クリニックですので、お化粧品を無理にお勧めしたりすることはありません。
ニキビの治療は最近、昔とは違ってきています。
ぜひ試してみてください。
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